根抵当権=「一定の」範囲(極度額と取引の範囲と債務者で限定)にある「不特定の」債権を担保する。
抵当権はたとえば、住宅ローンなど、1件だけの債権を担保するときに使用する。
(抵当権は元本と2年分の利息・損害金まで担保されますがが、根抵当権はで利息を担保するには利息分につき余分に極度額を余分に取っておく必要があるという理由で2割ほど多めに枠を設定します。)
不動産に抵当権が設定されていましたが、その債務を弁済し抵当権は消滅しました。でも、相続が発生しています。こんなときは相続の発生と抵当権の消滅時期の関係によって手続き方法が違います。
抵当権の設定者(不動産の名義人)が死亡する前に抵当権が消滅していた場合
Aさんは自己所有の不動産に抵当権を設定していましたが、なんとか頑張ってその債務を弁済し、抵当権者である銀行から弁済証書などの抵当権の抹消関係の書類を受け取りました。
その後、抵当権抹消の登記手続きをする前にAさんは死亡してしまいました。
⇒この場合は、Aの相続人の1人から相続人全員のために登記義務者(抵当権者)と共同で、抵当権抹消の登記の申請ができます。
抵当権の設定者が死亡した後に抵当権が消滅した場合
Aさんは自己所有の不動産に抵当権を設定していましたが、ある日亡くなってしまいました。
その後、Aさんの相続人であるBが債務を弁済し、抵当権が消滅しました。
⇒この場合は、まずAさんの不動産につき相続人名義に相続登記(所有権移転登記)をした後で、不動産を取得した相続人が登記権利者となり、登記義務者である抵当権者と共同で、抵当権抹消登記を申請することになります。
つまり
抵当権の消滅時期が相続発生前⇒そのまま相続人の1人から抵当権抹消手続きできる。
抵当権の消滅時期が相続発生後⇒相続人名義に相続登記した後で抵当権抹消登記の手続きをする。
ということになります。詳しくは当事務所にご相談下さい。
不動産に抵当権を設定するときには、いくつかの注意点があります。
抵当権の第三者対抗要件は登記です。また、他の抵当権者との関係において優先弁済を受ける権利は、登記の前後(順位)によって優劣が決まるのが原則となっています。登記簿でしっかりと確認しましょう。
さらに保証契約を締結するときには、後日、「保証した覚えはない」などのトラブルを避けるため、保証人の保証意思を確認し、必ず目の前で自署・押印してもらうことが必要です。
何十年にも渡る住宅ローンの返済お疲れ様でした。
住宅ローンを完済した暁には、銀行から抵当権抹消登記に必要な書類が一式届くかと思われます。
そしてその中には
『ご自身で法務局にてお手続きされるか、司法書士にご依頼下さい。
なお、書類には有効期限(代表者事項証明書は発行後3ヶ月以内)がございますので、お早めにお手続き下さい。』
という無機質な案内文が入っていることが多いです。
「何十年もの間苦労して返済してきたのに、これだけ?
おまけに、抵当権の抹消登記はこっちでやれ?それならやり方ぐらい書いてよ」
という感想をもたれるかも知れませんが、これが現実です。
ちなみに銀行や金融機関の費用負担で抵当権抹消登記をしてくれた…という話は今まで一度も聞いたことがありません。
そして一部の書類には有効期間あります。
そんな時は当事務所までご連絡ください。その日のうちにどこよりも安い費用でお見積り→抹消登記申請も可能です。