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担保権(抵当権)編

担保権(抵当権)編
 
抵当権と根抵当権の違いを教えてください
根抵当権も抵当権のほとんど一種ですので、基本的に不動産に設定する担保権であることには変わりません。
 
法律上は、普通抵当権が特定の債権を担保するのに対して、確定前の根抵当権は、特定の継続的取引契約から生じた債権、一定の種類の取引から生じた債権、特定の原因に基づく債権、手形・小切手に係る債権を担保します。
 
つまり、抵当権=「特定の」債務者に対する「特定の」債権を担保する。
根抵当権=「一定の」範囲(極度額と取引の範囲と債務者で限定)にある「不特定の」債権を担保する。
 
抵当権は、完済すれば実質的に担保としての意味はなくなります。
根抵当権は不特定の債権を担保するものなので、完済しても原則、担保権は消滅しません。別途手続が必要です。

抵当権はたとえば、住宅ローンなど、1件だけの債権を担保するときに使用する。
根抵当権はたとえば、当座貸越、手形割引枠など一定の債務者との取引枠の債権を担保する際に使用する。言い換えれば、一定の範囲の枠内で貸出額が増減するので、債権額を枠として設定するという意味です。
 
たとえば1,000万円のローンについては、通常1100万円とか1200万円の根抵当権の枠(根抵当権極度額)を設定するのが普通です。
(抵当権は元本と2年分の利息・損害金まで担保されますがが、根抵当権はで利息を担保するには利息分につき余分に極度額を余分に取っておく必要があるという理由で2割ほど多めに枠を設定します。)
 
結論
継続的に取引をしている当事者間では、債権は発生・消滅を繰り返しているので、このような場合に普通の抵当権を設定すると、債権・債務が消滅するごとに、抵当権の設定。抹消を繰り返し行わなければならず、非常に煩雑です。そこで、普通抵当権と異なり、不特定の債権を極度額の限度において一括して担保することのできる根抵当権という制度があるわけです。
 
 
もし、両方の選択肢がある場合であって、どちらにしようかお困りの際は、当事務所までご連絡ください。
 
抵当権などの担保権を抹消したいけど、相続が発生してます。どうしたらいいですか?

不動産に抵当権が設定されていましたが、その債務を弁済し抵当権は消滅しました。でも、相続が発生しています。こんなときは相続の発生と抵当権の消滅時期の関係によって手続き方法が違います。

 

抵当権の設定者(不動産の名義人)が死亡する前に抵当権が消滅していた場合
Aさんは自己所有の不動産に抵当権を設定していましたが、なんとか頑張ってその債務を弁済し、抵当権者である銀行から弁済証書などの抵当権の抹消関係の書類を受け取りました。
その後、抵当権抹消の登記手続きをする前にAさんは死亡してしまいました。

⇒この場合は、Aの相続人の1人から相続人全員のために登記義務者(抵当権者)と共同で、抵当権抹消の登記の申請ができます。
抵当権の設定者が死亡した後に抵当権が消滅した場合
Aさんは自己所有の不動産に抵当権を設定していましたが、ある日亡くなってしまいました。
その後、Aさんの相続人であるBが債務を弁済し、抵当権が消滅しました。

⇒この場合は、まずAさんの不動産につき相続人名義に相続登記(所有権移転登記)をした後で、不動産を取得した相続人が登記権利者となり、登記義務者である抵当権者と共同で、抵当権抹消登記を申請することになります。

 

つまり

抵当権の消滅時期が相続発生前⇒そのまま相続人の1人から抵当権抹消手続きできる。
抵当権の消滅時期が相続発生後⇒相続人名義に相続登記した後で抵当権抹消登記の手続きをする。
ということになります。詳しくは当事務所にご相談下さい。

 
不動産に抵当権を設定する場合の注意点を教えて下さい。

不動産に抵当権を設定するときには、いくつかの注意点があります。

 

抵当権設定者
抵当権の設定目的は処分行為であるため、設定者(債務者)は目的不動産の処分権限を持っていなければなりません。(目的不動産の登記名義人であるが真の所有者でない者や、破産宣告を受けた者による設定は無効です)
登記簿謄本などの調査
不動産とは土地と定着物(建物)を言い、登記簿も土地と建物の2種類があります。そのため、抵当権などを設定する場合は、登記簿により所有者などの権利関係を調査して、土地と建物それぞれに所有者などの権利関係を調査する必要があります。
現地調査
不動産を調査する場合、実際に現地に出向き対象不動産を確認することが大切です。建物については増築、滅失など、現況と登記簿が異なる場合があり、また、土地についても道路との接道状況、地形、隣地との状況など、現地で確認しないと判明しないことがあります。
安全性確認
所有権に争いがあるなどの私法上の規制や、建築不可能となる公法上の規制など、換価処分を行なう際に困難となるような事情のない安全な不動産であることを確認します。
市場性確認
担保を設定する予定の土地が市場性(売却可能性)を有しているかどうかを確認します。道路に接していない土地は、通常、市場性がありません。
確実性確認
異常に高い賃料で収益の安定性が見込めない不動産や、償却資産の割合が異常に多く、経過年数によって価値の減損が多すぎるものなど、売却金額の確実性の低い不動産もあるため確認が必要です。

優先弁済の順位

抵当権の第三者対抗要件は登記です。また、他の抵当権者との関係において優先弁済を受ける権利は、登記の前後(順位)によって優劣が決まるのが原則となっています。登記簿でしっかりと確認しましょう。

 

さらに保証契約を締結するときには、後日、「保証した覚えはない」などのトラブルを避けるため、保証人の保証意思を確認し、必ず目の前で自署・押印してもらうことが必要です。

 
住宅ローンを完済したんですけど、銀行は抵当権抹消登記はしてくれないんですか?

何十年にも渡る住宅ローンの返済お疲れ様でした。

住宅ローンを完済した暁には、銀行から抵当権抹消登記に必要な書類が一式届くかと思われます。

そしてその中には

『ご自身で法務局にてお手続きされるか、司法書士にご依頼下さい。
 なお、書類には有効期限(代表者事項証明書は発行後3ヶ月以内)がございますので、お早めにお手続き下さい。』

という無機質な案内文が入っていることが多いです。

 

「何十年もの間苦労して返済してきたのに、これだけ?
 おまけに、抵当権の抹消登記はこっちでやれ?それならやり方ぐらい書いてよ」

という感想をもたれるかも知れませんが、これが現実です。

 

ちなみに銀行や金融機関の費用負担で抵当権抹消登記をしてくれた…という話は今まで一度も聞いたことがありません。

 

そして一部の書類には有効期間あります。 

 

そんな時は当事務所までご連絡ください。その日のうちにどこよりも安い費用でお見積り抹消登記申請も可能です。

 

 

 

 
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