司法書士Q&A

 

会社法編

会社法編
 
個人でパン屋を経営していますが、会社にした方がいいんでしょうか?

個人事業で飲食店を経営してきたものの節税目的のために法人化を検討されるケースがよくあります。

法人化を検討する場合、まずは以下の①~③を決めてしまいましょう。

 

①株式会社にするか、合同会社にするか?

とにかく費用をおさえたいのであれば合同会社です。

認知度や社会的信用のことを考えると株式会社です。

 

②会社名(商号)や資本金を決めます。
会社名については、あまり変な名前でなければ、大概のものはOKです。
それよりも資本金です。
銀行からの融資を受けられる場合は審査の為に資本金は多いにこしたことはありません。
しかしながら、現金を集めるのは簡単ではないことも多いです。
このような場合、現物出資をお勧めしております。
現金ではなく、物をお金に換算して資本金にしてしまう方法です。

不動産、自動車(ローン完済後のもの)、機械、パソコン、備品など、出資される方の所有物であれば特に制限はありません。

 

また、貸しているお金などの債権も出資というかたちで資本金にしてしまうことも可能です。

 

(自動車の場合は設立後に個人から会社への名義書換、保険の名義変更の手続きが必要となります。

場合によっては個人から法人に所有者が変わることによって、保険料が高くなることもありますので、自動車を出資される場合は、予め保険会社に確認しておいた方がよいでしょう。)

 

(不動産の場合も設立後に個人から会社への名義書換が必要になります。
また、担保がついた不動産の場合は色々と検討すべき事がありますので、ご相談下さい。)

 

③決算期はいつにするか?

1,繁忙期から考える

通常の業務で忙しい上に、会計・税金の手続をしなければならない決算期があると大変でしょうから

決算期を繁忙期にするのは避けられた方がいいでしょう。

 2,資金繰りから考える

決算期から2ヶ月後に納税(確定申告)をしなければなりませんので、納税(確定申告)をしなければならない時期と、ボーナスや仕入れの支払などで支払が多くなる時期は避けた方がいいでしょう。

 
1円ぽっきりで会社が作れるって本に書いてあったんですが、本当ですか?
1円で会社は作れません。
 
おそらくその本の意味は「会社に入れる資本金は1円以上あればいいんですよ」という意味です。
すごく乱暴な言い方をすれば、資本金0円でも会社は作れます。ただし株式会社ではなく、合名会社という会社の形式に限ります。

株式会社を作るのに、少なく見積もっても30万円はかかると思ってください。

名刺や印鑑の作成、定款の作成、定款認証手数料と謄本発行費用、登記する際の登録免許税(最低15万円)、印鑑証明書取得、登記簿謄本取得、など、必要経費だけで軽く20万円は超えます。
 
1円どころではありません。

 
 
取締役を一人追加しようと思っています。なんか条件とかあるんですか?
株式会社の取締役は、会社法という法律の中で取締役になることができない条件が定められています。

簡単に言えば、判断能力がない人(認知症など)や犯罪で刑を受けた人は取締役に相応しくないということになります。
 
取締役になることが出来ない人を取締役に選んでも無効で、既に就任の登記をしていても抹消しなければなりません。また、既に取締役である人が欠格事由に該当すると、取締役としての資格を失います。

取締役になることができない人は以下の通りとなります。(会社法第331条第1項)

1 法人
2 成年被後見人、被保佐人
3 会社関係に関する法律の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わるまで、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
4 一般の犯罪に該当する場合は、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
 
3と4の違いですが、3の会社関係の犯罪の場合は、懲役・禁固刑だけでなくて、罰金でも取締役となる資格が失われます。執行猶予期間中も×です。会社関係の犯罪は、欠格時事由が厳しくて+2年必要です。執行猶予は、期間が満了した翌日から取締役となれます。執行猶予後2年ではないです。
4の一般の犯罪(上の会社関係の犯罪以外のものです)に該当する場合は、懲役、禁固以上の刑の場合には、取締役となることができません。会社関係の犯罪とは違い、罰金は関係ありません。(取締役OK)。また、2年経過しなければいけないということがないです。

よく5年間は取締役になることができないと言われますが、それは許認可に関係することになります。宅建業や建設業、古物商などで、それぞれの法律により規定されてます。役員にはなれることもあるのですが、許認可が出ない(業務ができない)ということです。

すでに取締役になっている人が破産手続をしてしまうと、民法の規定によって会社との委任契約が終了してしまいますので一度退任の必要がありますが、取締役として選ぶのは問題有りません。

 
定時株主総会って決算期が過ぎたらいつ開いてもいいの?

多くの会社が、定款に「定時株主総会は事業年度の翌日から3ヶ月以内に開催する」と定めているかと思います。しかし、現実に決算の翌日3ヶ月以内だったらいつでもいいわけではわりません。 
 

会社などの税金に関する法律である法人税法に、「法人は、各事業年度終了の日の翌日から2月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。 
」と定められています。

 
つまり会社は、決算日の翌日から2ヶ月以内に定時株主総会を開催したうえで、決算の申告書を税務署に提出しなければなりません(もちろん例外もありますが)。
   
定款に3ヶ月以内と定めているのは申告の延長にも対応できるようにしているだけで、現実的には2ヶ月以内と考えた方がよいでしょう。
 
役員の任期がわかりません。今は昔と違って任期10年って可能なんですか?
可能です。会社関連の法律は何度も改正されてるので、それが混乱を招く原因です。まずは法律の変遷を理解しましょう。
 
【法律の変遷】
 株式会社の役員の任期については、法律に定めがあります。仮に会社の設立が平成10年とします。その当時の役員の任期に関しての定めは商法に規定されていましたが、平成13年改正商法が平成14年5月に施行され、更に平成18年5月に会社法(名前も商法から会社法へと変わりました)が施行されたことにより、その任期についての条文が変更されていきました。
したがって、旧商法平成13年改正商法会社法と3つの法律を理解することで、役員の任期に関しての変遷が分かります。以下、監査役を例にとって上記3つの法律に関して説明いたします。
【旧商法】
 平成13年改正商法よりも前にいる監査役の任期は、「就任後3年内の最終の決算期に関する定時株主総会の終結の時迄」とされていました。また、会社設立時の最初の監査役としては、「就任後1年内の最終の決算期に関する定時株主総会の終結の時迄」とされておりました。
【平成13年改正商法】
 この改正により、監査役の任期が、「就任後4年内の最終の決算期に関する定時株主総会の終結の時迄」と1年伸長されました。なお、会社設立時の最初の監査役に関しては、旧商法の規定がそのまま残ったため、任期は1年ということになります。
【会社法】
 平成18年5月に会社法が施行されました。これまで、株式会社において監査役は必須の機関でしたが、会社法になってからは監査役を置かないことも可能になりました。任期に関しては、原則として4年の任期ですが、株式の譲渡制限規定を置いている会社に関しては、監査役の任期を10年まで伸長することも可能となりました。
 
 
株主の1人が亡くなり相続が発生しました。その株はどうなっちゃうのでしょうか?

株主が死亡した場合、遺言等がある場合を除き、その株式は相続人全員の共有状態となり(民法898)、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定めて会社に通知しない限り、原則として当該権利を行使することができません(会社法106)。

 

当該相続人間で遺産分割協議が成立すれば、それに基づいて株式を取得した者が、株主権を単独で行使できるようになります。

 

よって原則として相続人に承継されますが、あらかじめ承継されないように定款にその旨を定めておくこともできます。

 
休眠会社って放置したままでも大丈夫ですか?

長期間企業活動をしていない会社を、一般的に休眠会社といいます。

税金については休眠届を税務署等に提出する事によって、課税されない事が多いです。

このようなことから、解散登記や清算結了登記をせずに、休眠会社として放置されるケースが少なくありません。

しかし、休眠のままのでも役員の任期がくる事による登記はしなければなりません。

もし役員変更登記を忘れた場合、過料(罰金のようなもの)を払わなければならないことがあります。

 

また、休眠届を出していても税務申告は必要ですし、休眠届は法律上の制度ではなく、事実上の運用なので、必ず課税されないとは断言出来ません。

 

このようなことから、いずれ事業を再開される予定がないのであれば、休眠のまま放置されるより、きちんと解散登記、清算結了登記をされるたほうがいいでしょう。

 
会社を解散したいのですが、通常清算と特別清算、破産の違いって何ですか?

【通常清算】
 株式会社が解散した場合、清算人が選任され、その会社に対して債権を有している債権者に対して、どのような内容の債権がいくらあるのかを申し出るように官報にて公告し、かつ、知れたる債権者には個別に催告をすることになります。官報公告期間は、清算人が就任してから2ヶ月以上の間に少なくとも1回必要であるとされています。
 清算人は、会社に財産があれば換価処分し、売掛金等の債権を取り立て、買掛金等の債務を弁済し、その後に残余財産があれば株主へ分配することで清算事務を終了し、遅滞なく決算報告書を作成の上、株主総会での承認を得て、清算結了に至ります。以上の手続きが、おおまかな通常清算手続きの流れとなります。
 

 

【特別清算】
 特別清算とは、解散会社が資金繰りに行き詰ったり、債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態)の疑いが生じた場合に、裁判所の監督下のもと、会社を清算する手続きです。裁判所が関与する点や会社の財産を換価し、その代金によって債務を支払い、残りの負債は協定案に沿って返済していく点などで、通常清算とは異なります。

 

【破産】
 破産は現金化できる資産は全て換価した上で借金の返済に充て、それでも支払不能又は債務超過である場合に裁判所を通してなされる手続きです。裁判所の関与がある点で特別清算と類似しますが、破産の方が特別清算に比べて厳格な手続きとなります。また、破産手続きは個人・法人どちらもあり得ますが、特別清算は株式会社に限られます。
 対外的イメージを気にしてしまい破産を避ける傾向もあり、そのような場合、上記のような特別清算を選択するケースもあります。

 
通常清算の方法で会社を解散したいんですが、すぐにできますか?

たとえ通常清算の方法で解散する場合であっても、完全に登記簿を閉鎖するには、解散登記と清算結了登記の2つの登記を行う必要があります。

 

解散登記をしたらそれで会社が無くなったような感じがしますが、これだけでは会社は無くなりません。解散登記は、これから会社を閉めるために未払金を回収したり、借入金を返済したり、会社を閉めるための手続きをしていく事を示す単なる予告の登記にすぎません。その後、官報に公告をする必要があります。

 

全ての手続きが完了したら、清算結了登記を行い、そこでようやく会社が登記簿から抹消されます。(但し、官報公告から2ヶ月以上経過していなければ登記できません。)

清算結了登記を行うには、債権債務関係がゼロになっている必要があります。つまり、資産が残っていたり、負債が残っている状態では清算結了登記を行うことはできません。

 

資産が残っている場合は株主に分配します。負債が残っている場合は、債権者から債権放棄を受けない限り、債権債務関係がゼロにする事ができないため、清算結了登記を行うことができません。

 

今まで登記した案件では、役員からの借入金以外を全て返済し、役員からの借入金は債権放棄して債権債務関係をゼロにするという方法を取られている方が多いようです。

 
 
 
有限会社って今はどういう扱いなんですか?
数年前の会社法改正により、有限会社が廃止されました。ただこれは、有限会社という形態の会社が完全に廃止されたという意味ではなく、新しく有限会社を設立することはできないが、現存する有限会社については、何の手続もとらなくても、株式会社(特例有限会社)として存続するという意味です。
 
ですから有限会社のまま会社を存続させたとしても何の問題もありません。むしろ
・役員の任期がない(100年でも可)
・貸借対照表の公告をしなくてもよい
・昔から継続して存続している会社という安心感を第三者与えることができる
などのメリットもあると言われています。
 
 
合同会社ってどんな会社ですか?メリットは?

合同会社は株式会社と異なり株式・株主という概念がありません。結果的に株主と会社の結びつきが弱くないります。

合同会社は持分会社と呼ばれる類型にあたるので、持分・社員という概念があります。結果的に社員と会社の結びつきが強くなります。

 

合同会社設立のメリット

・6万円で設立可能。
(株式会社の場合、登録免許税(15万円~)と定款承認(5万円~)が発生します。)

・決算公告義務や役員の任期がない

利益の配分を、出資比率に関係なく社員間で自由に決めることができる。株主総会もありません。

・法人の節税メリットを享受できる。

・あとから株式会社への変更も可能。

合同会社設立のデメリット

・信用度や知名度が低い。

・社員間で利益配分を巡る対立がおきる可能性がある。

・上場ができない。


しかし、誰もが知っている有名企業でも、合同会社として事業を行っているところが数多くあります。
具体例をあげてみると以下の通りです。

  • 西友
  • AppleJapan
  • ユニバーサルミュージック  など

主に外資系の企業の日本法人を中心に有名企業でも多くの合同会社があります。
外資系の日本法人では、株主総会をやらなくていいなど、会社を運営していく上での面倒なことが少ない合同会社が選ばれる傾向にあるようです。


 

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